地域に育まれ、地域を活かしていく活動
二葉保育園では『地域に飛び出していく保育』を行っています。愛郷心というものは植え付けるものではありません。
◆地域の自然に親しみ、様々な自然体験の中で、自然に興味をもって自然を楽しみ生きていける子ども
◆地域の文化を知り地域の行事に参加し、地域の歴史や伝統の大切さを知る子ども
◆地域の人々とふれあい、地域のあたたかさを知ってそのあたたかさを大切にしようとする子ども
そのよううな子どもたちを育んでいきたいと思っています。
鞆浦漁協(鞆浦)
「今朝、ようけ魚がとれたけん見に来いよ」「今日、水族館でもめったに見られない亀が網にかかったから海遊館に行く前に見に来いよ」二葉保育園のすぐ近くにある鞆浦漁港で珍しい魚が獲れた時、かならず保育園に連絡を入れてくれます。
よし!園外保育に行こう!!園児たちと一緒にワクワクしながら魚を見に行きます。漁協のお兄さんが手が空いているときは魚の説明をしてくれたり、魚やエビを触らせてくれます。身近に海の大自然に触れる場があるのは本当に幸せです。写真は大きなクジラが獲れた時のものです。子どもたちはその大きさに圧倒されながらもクジラの感触を確かめていました。
海水浴(手倉海水浴場)
かつては手倉海水浴場は海部小学校の公認海水浴場でした。夏休みは児童が監視をしてくれる地域の方に『命札』を預けて一人で海水浴をするのが海部小学校の流儀でした。二葉保育園ではこの制度のために就学前の子どもたちに海の『楽しさ』と『怖さ』を教えるために海水浴を行っていました。
ところが海部小学校の海水浴がなくなり、二葉保育園の海水浴だけが残ることになってしまいました。以降地域の自然の良さを体験する行事として、毎年海水浴を楽しんでいます。
写真は一夜保育の海水浴、とても楽しい時間でした。
シーカヤック(竹ケ島)
私たちの知らない海陽町を探検しようと、始まったのがシーカヤック体験です。親子で力を合わせて海へ漕ぎ出していきます。体験が終わった後保護者から「宍喰の海がこんなにキレイだとは思わなかった」という感想をいただいたことがあります。自分たちが住んでいる海の美しさに感動した様子でした。地育と地域の自然に親しみ、文化を楽しみ、人々の暖かさを知ることです。子どもたちにたくさん海陽町の良さを知ってもらいたいです。
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卒園登山(鈴ケ峰)
卒園が間近になった3月、就学前の子どもたちは鈴ケ嶺に登ります。ただ山頂を目指すのが目的ではなく、木の実をみつけたり、風景を楽しんだり、登山道に祭られている八十八仏に手を合わせたり、仏様の数を数えたり、ヤッコソウを見つけたり(ヤッコソウは11月ごろが見頃ですが、黒くなったものが春まで残っています)そして最後には山頂からの大パノラマ、「家がむっちゃちいさい」「あそこDMVが走ってる」「僕の家はどこやろ」「みんなで一緒にヤッホーって言おう」など子どもたちも最高の展望を楽しみます。
「私だってこんな高い山に登れた!」このやればできるの精神を小学校に持っていってほしいと思っています。
灯明杉くぐり(波切不動尊)
海陽町で一番好きな景色はどこかと聞かれると、私は迷わず「波切不動」と言います。とてつもない大きさの灯明杉、その上に覆いかぶさる巨岩、そして周囲の苔むした雰囲気、とても素晴らしい空間だと思っています。「悪い子が通ると木が通せんぼして通れなくなるよ」などと灯明杉の伝承を話しながら一人ずつ杉の間を通って、お不動さんに手を合わせます。「ぼくええ子やけんはさまれんかった」「むっちゃドキドキした」地域の伝承を知って体験し、それをまた伝えていって欲しいです。
花まつり(城満寺)
吉田にある城満寺は曹洞宗の有名なお寺です。日本全国からお坊さんが修行にやってくるお寺です。そのお寺のご住職とコラボで何かできないかなとお話しして『花まつり』を行うことになりました。地域の方が子どもたちの頭上に花びらを散らしてくれたり、ご住職のお勤めを手伝って下さったり、地域の方々と花まつりを楽しみました。
「お釈迦様がね、上と下を指さして、上にも下にも「私の命」よりも大切なものはないと言ったんだよ、きみも命も、お友だちの命も、他に変えられない大切なものなんだよ」とご住職が優しい声でお話しして下さいました。自分を大切に(自己肯定感)仲間も大切に(他者肯定感)感謝の気持ちをもって生きること、それが仏教保育の本質です。
写真は城満寺さんの本堂の前でご住職さんと一緒に
いもほり(大里浜崎)
「今年も子どもたちのためにお芋作ってるから、掘りに来いよ」浜崎の『おいものおっちゃん』から毎年電話をいただきます。いつも驚くのは『子どものために作ってくれているおイモ』が400kgを越えていることです。上の画像では子どもたちに隠れていますが、コンテナ10個にまけまけいっぱいサツマイモが入っています。ほんとうに子どもたちが毎年、収穫を楽しませていただいて感謝しています。このお芋さんは、保育園で使ったり、おうちに持って帰ったり、焼き芋パーティーで使ったり、小さな細いもは『芋判』にして遊んだりして、めいっぱい使わせていただいています。ありがとうございます。
トマト狩り(相川)
今年トマト狩りの提案を元保護者会の会長さんよりいただきました。もちろん二葉保育園としては大賛成です。トマト狩りの場所は相川の農園さんで、農園のおじさんに「もう、出荷しないトマトだから全部とってね」と言われ、園児たちは大ハッスル、コンテナ3杯分のトマトを収穫させていただきました。
帰園後あまりのトマトの量の多さに園児たちが持ち帰れない分はトマトーソスにして、誕生会のフライのソースにしました。保護者に『トマト狩りを楽しんだこと』『ソースをたっぷりかけておいしかったこと』を伝えました。そのことを紹介してくれた元保護者会長に見せたところ、それを相川の農園さんに伝えてくれたようでした。
実は農園のおじさんは今年でトマトの栽培をやめようと思っていたそうなのですが、子どもたちが喜んでトマトを採る姿や、それを配信してくれたことに感激して、来年もトマトを作る決心をしたそうです。『地域に育てられ、地域を活かしていく』まさにこれが地育なのだと思いました。
イチゴ狩り(四方原)
丸岡ストロベリーファームさんでもう10年以上(20年?)イチゴ狩りをさせていただいています。摘んだイチゴをそのまま口にパクリ、新鮮を通り越した摘みたてのイチゴはとっても美味しいのです。二葉保育園では食育活動を「楽しく!おいしく!」行っていくことをモットーにしています。赤々と実っている瑞々しいイチゴをそのまま口にパクリなんて、こんなに楽しいこと、こんなにおいしいことは他にありません。
二葉保育園では給食も日々楽しく、美味しく食べられるように職員間で話し合って、配膳量を調節し『食べきる』達成感を大切にしています。
奉納相撲(湊柱神社)
今では『赤ちゃんの土俵入り』が有名ですが、かつては同時に行っている奉納相撲もとても有名でした。保育園から中学生までみんなが奉納相撲を楽しんでいました。しかし、土曜日が休みになると学校行事としての相撲参加が難しくなり、中学校、小学校が自由参加に、自由参加となるとだんだんと参加が少なくなっていき、今では二葉保育園だけが奉納相撲を行っています。地域のおじいちゃん、おばあちゃんから「がんばれ!」「まけるな!」の声援、拍手をいただき、子どもたちも真剣です。二葉保育園では地育の取り組みとしてこの文化を守っていきたいと思っています。