五感を刺激する食育活動
二葉保育園では食育を推進していくために五感がドキドキワクワクすることを大切にしています。そのドキドキワクワクのために様々な活動を行っています。ここではその一例を何点か掲載します。
親子クッキング
二葉保育園ではクラスごとに(5歳児~3歳児)親子クッキングを開催しています。それぞれの食育目標の中で『どういうメニューにするか』『どういう調理工程を組み込むか』『どういう食材を使うか』などを決めていきます。
【遊山箱においしいを詰め込もう】
簡単に調理できるメニューを子どもたちと一緒に考え、当日はお父さん、お母さんが子どもたちと一緒に『混ぜる』『巻く』『切る』『焼く』などの調理を行い、調理後は遊山箱に詰め込んで運動場で一緒に節句気分で食べます。「このお弁当箱欲しい!」という声が毎年聞かれます。
【手打ちうどんを打とう】
小麦粉から水を回し、こねて、まな板に打ち付け、パンチやチョップ(ここで1寝かせたものと交換します)そして厚手のビニールに入れて踏み込みます。子どもたちもお父さん、お母さんも力を込めて踏み込みます。もちろんお出汁も地元の干物や鰹節、干しシイタケと昆布でとります。均一に細く切るのは大変ですが、極太も美味しいのです!
【竹パンを焼こう!】
裏山で切り出した青竹に自分たちでこねて作ったパン生地を巻いて、焚火でゆっくりと焼きます。粉から練り上げ、目の前でふかふかに焼きあがるパンはどこで買ったパンよりおいしいものです。
【お絵かきチラシを楽しもう】押しずしの表面にデコレーションを施し、野菜や乳製品などを楽しく食べようという取り組みです。数えきれないほどの作例がありますが、ここではかわいいものを掲載いたします。


タケノコ掘り
二葉保育園は豊かな自然環境の中に立地しています。裏には『観音山』があり、豊かな自然をもたらせてくれます。春にはみんなウズウズ、「山登りたいなぁ」「タケノコ探したいなぁ」じゃあ掘りに行こう!というのがいつの間にか毎年の行事になりました。鉄製のスコップと土嚢袋をもって4、5歳児が山でタケノコを探し、掘り出します。掘ったタケノコを土嚢袋に入れて自分たちで持ち帰ります。保育園でみんなで皮をむき、その日の給食には『タケノコの土佐和え』が追加されました。次の日はタケノコご飯でした。自分たちが見つけ、掘り出し、皮をむいたものを食べる。これが5感が喜ぶということなのです。
アンズシロップ
二葉保育園には果樹がたくさん植えられています。これは前園長が収穫して食べる喜びを知って欲しいから植えたものです。もうそれぞれ樹齢が40年を越えています。マネをしようと思ってもすぐにできるものではありません。その果樹の中にアンズがあります。平時は子どもたちが登って遊ぶ木なのですが、卒園式のこれには綺麗な花を咲かせ、5月の末には大きな実を付けます。その身は落ちたものはままごと遊びの材料になり、熟れたものは園児が収穫してシロップ漬けにします。収穫の時に年長さんが枝を引っ張り「いまのうちに取るんだ!」と3歳児に声をかけてる姿が見られます。さすがです。自分たちが登ったり飛び降りたりしている木に実る果実が美味しく食べられる、こんな驚きはないと思います。
栗ごはん炊いてよ
二葉保育園の卒園児はそのほとんどが『栗をむく』ことができます。栗をむくといっても硬い栗の皮をむくのではなくイガを剥くのです。「こうやって両足で踏むんよ、ほんでなこっちとこっちで踏ん張るんよ」保育園では栗のイガの剥き方をお兄さんやお姉さんが小さい子に伝えようとする姿がよく見られます。それを『見て』『聞いて』小さい子がチャレンジします。この保育士が関係しない受け継ぎが『伝統』と言われるものだと思います。「イガが剥けて何の得になるの?」と思われる方がいるかも知れませんが、私は「伝える子」「聞いて理解し実践する子」双方の人生の得になっていると思います。
「ぼくがむいたけん、おいしい栗ご飯炊いてよ」得意げに給食室に栗を届ける姿がすごく大好きです。
何でお茶もまなあかんの?
二葉保育園ではいただいた茶葉を蒸してお茶揉みをして『番茶』を作ります。ある年の5歳児が「お茶がおいしくなるって言うけどなんでおいしくなるん?」「なんでもまなあかんの?」と会話している声が聞こえました。これは『わかりやすく説明しなくては!』と思い手書きのスライドショーを作りました。それ以来お茶揉みをする前には必ず保育園で作成したスライドショーを見て「おいしくなぁれ、おいしくなぁれ」とお茶を揉んでいます。この子どもたちの「なんでだろう」「ふしぎだよね」という思いを拾い上げていくことが大切だと思っています。
「ぼくがもんだおちゃ、ジュワーっとしてうまいわ」おいしいお茶ができたようです。
その他の食育活動
二葉保育園では『楽しい!おいしい!』のために様々な食育活動を行っています。
【流しそうめん】おそうめんが青竹の水路を流れてくることに大興奮、「おかしも流れてきたらええのになぁ」と数年前の園児が言った言葉から、最後にはお楽しみのお菓子が流れてきたりします。
【焼き芋パーティ】みんなで『おいものおっちゃんの畑で掘ったおいも』を焼き芋にします。1日がかりで100を超えるイモを焼き、みんなで収穫祭として楽しみます。その日は保護者にも焼きいもをおすそ分けします。
【お店屋さんごっこ】お店屋さんごっこで店頭に並べるクッキーをみんなで型抜きして焼きます。「これぼくの作ったクッキーや」「わたしのクッキー買ってよ」などと自分の作ったものを仲間に喜んで欲しい姿が見られます。
【食育カフェ】令和7年から始まった新しい食育の取り組みです。子どもたちに人気の手作りおやつなどを親子で楽しんでいただきます。好評をいただいています。
【カレー作り】一夜保育(お泊り保育)の夕食のカレーは5歳児さんが作ります。自分たちで作ったカレーを自分たちだけで楽しむ、自立の芽はこういうところから生まれてくるのだと思います。
【収穫調理】保育園の菜園で収穫したいろいろな野菜を自分たちでピザにしたり、肉詰め炒めにしたり、ちくわに挟んで焼いたりと、焼き芋パーティで書いたような『収穫祭』的な食育活動をしています。自分たちが植えて、自分たちが調理し、楽しく美味しくいただきます。
【おもちつき】コロナから臼数は少なくなってしまいましたが、お餅つきは毎年楽しんでいます。『さらさら』のもち米が蒸されて『ふかふか』になり、お父さん、お母さんがつくことで、もちもちになります。それを必ず見て、触って、味わって変化を体験できるようにしています。




手作りおやつ(ワクワクする時間)
二葉保育園では子どもたちが「楽しく!おいしく!」思わずテンションが上がるような手作りおやつを日々提供しています。おやつは「補食」という『1日の食事で不足しがちなエネルギー、ビタミン、ミネラル、タンパク質などを補う役目』が重要視されますが、それにしても「おいしくない」「ワクワクしない」ものを出されても子どもの脳の栄養にはなりません。「今日のおやつ何なん?」「今日のおやつ知っとうでキラキラゼリーやろ」など子どもたちはワクワクが隠せずに給食室に話しかけます。おかわりもいっぱい並ぶんです。
手作りおやつアラカルト



子どもたちが大好きなおやつとして人気なのが『ステンドグラスクッキー』です。型抜きしたクッキーに砕いたキャンデーを入れて焼き、かわいい窓を作ります。星型、パンプキン、オバケなどいろんな形を楽しんでいます。
もう1つ人気なのが『カラフルゼリー』何層にも重ねて色の変化をつけたり、クラッシュゼリーを載せて華やかにしたり、モチーフの型を抜いたゼリーを飾り付けたり、いろんな変化のあるゼリーを楽しんでいます。
また意外と人気なのが『豆乳くずもち』や『ういろう』『おはぎ』などの和菓子です。もちろんアンコも全て手作りです。
写真1【プリン・ア・ラ・モード】
プリンは手焼きです。メロン、オレンジと星型のステンドグラスクッキーを飾りました。
写真2【ステンドグラスクッキー】
ジャックランタンの目と口に砕いたキャンディを入れて焼きました。いろんなキャンディを砕いているので不思議な色になります。
写真3【あじさいゼリー】
グリーンのゼリーの上に、赤、青、紫のクラッシュゼリーを入れてアジサイを表現してみました。
写真4【イチゴのシュワゼリー】
2層のゼリーの上に炭酸入りのシュワシュワクラッシュゼリーを乗せてハート型のイチゴを飾りました。
行事ランチ
何度も書いていることですが「楽しい!おいしい!」が食育の基本です。楽しくない料理、おいしくない給食は、絶対に食育に繋がっていきません。二葉保育園では行事のモーチーフを考察して様々なランチを創造しています。毎年「ああしようか」「こうしてみようか」と試行錯誤しているので、鬼ランチもバラエティー豊です。



お雛様や、鯉のぼり、時の記念日や中秋の名月、ハロウィンや花まつり、いろんな行事の日は必ず目にも楽しい行事食がまっています。なぜ、手の込んだ行事食を作るのかと言えば、二葉保育園の食育ポリシーである『楽しく!おいしく!』の主役は子どもたちだからです。子どもたちがどうすれば楽しく食べるのか、どう作ればおいしく食べるのか、それを考え続けるのが二葉保育園の食育活動です。子どもたちが、ついつい苦手なお野菜も口に入れちゃう楽しさを感じていただければ幸いです。


