食育の大切さ

「三育」の一つとしての位置づけ
二葉保育園では、園児を元気に笑顔あふれる優しい子どもに育てるために、保育(よくあそび)、食育(よくたべ)、眠育(よくねむる)の3つの「育」を大切な成長の柱として育んでいます。この「三育」は、子どもたちが就学までに必要な「生きる力」を育む上で重要な柱であり、子どもたちのこれからの人生にとって「絶対にかかせない」ものだと考えています。そして三育の1つである食育は、健康な心身を育むために不可欠な要素です。自園調理を行っていない施設には基本的に食育を行うことはできません。
食べたいという意欲の育み
食育の目的は「栄養を摂る」「好き嫌いを減らす」「栄養を理解する」などではありません、「食べたいという意欲の育み」こそが就学前の子どもたちに必要な食育だと考えています。そのためにも上記した「あそぶこと」「ねむること」が大切になります。ぐっすり寝て、しっかり遊ぶことなくしては食欲は生まれてきません。しかし最も大切なのが、なによりも「おいしい給食」を提供するということです。二葉保育園の給食は県内で一番おいしい!と言っても過言ではありません、常に子どもたちの食べっぷり、子どもたちや保育士に食べた感想を聞きながら給食をグレードアップさせ続けています。見た目や盛り付けにも「楽しい」という気持ちが生まれるようにこだわっています。子どもたちの楽しい気持ちが「食べたい」に繋がっていきます。
五感を刺激する

食育は「五感を刺激する」活動と捉えられており、視覚(おいしそう)、嗅覚(いいにおい)、味覚(おいしい)、聴覚(コリコリサクサクする)、触覚(やわらかい・硬い)の5感を通じて、様々な感覚を育むことを目指しています。手作りおやつや行事食では、ゼリーの三層化やステンドグラスのようなクッキー、モチーフを大切にした配膳など、視覚への配慮も行われています味覚(おいしい)、聴覚(コリコリサクサクする)、触覚(なめらか・フワフワ)の5感を通じて、様々な感覚を育むことを目指しています。手作りおやつや行事食では、ゼリーの三層化やステンドグラスのようなクッキー、行事のモチーフ(七夕の星、節分の鬼)を大切にした配膳など、視覚への配慮を大々的に行っています。就学前の子どもでは五感の中では視覚が優れて発達しているからです。このようなドキドキ、ワクワクの給食やおやつを見て、感じて、食べてこそ、インクルーシブや多様性というものが理解できるのだと思います。
好きなものを増やしていこう
いま、大人になっている人に保育所で辛かったことを憶えている?」と聞いたら「食事」と答える人が多いと聞きました。『無理やり食べさせられた』記憶が残っているというのです。二葉保育園ではそんなことはありません。海部高校を卒業する子たちも「食べた給食の中で二葉の給食が一番おいしかった」と卒業していきます。二葉保育園では「嫌いなものをなくそう」という取り組みを行っていません、「好きなものを増やそう」というアプローチで食育活動を行っています。マイナスを減らすのではなく、プラスを増やしていこうという考えです。嫌いなものを強要されて『食べたい意欲』が育つはずがないのです。苦手なものは配膳量を調整していく中で完食し、意欲があればおかわりをして、徐々に食べて行けるようになればいいのです。二葉保育園の完食率はとても高いです。
個々に合わせた配膳と完食の喜び
二葉保育園では子どもたちの嗜好や体調に配慮し、個々に寄り添って食事量を調整しています。苦手なものは極力少なく、好きなものは多めに配膳することで、「完食する」達成感を積み重ね、「食事って楽しいね!」「給食の時間が待ち遠しいな!」と感じる「食への期待感」を育んでいます。この取り組みは「全部食べなさい!」という無理強いにならないような配慮でます。保育士と調理師が日々何度も連絡を取り合い、子どもの姿の受け渡しをして、個々の食事量を調整したり、喫食状況(何がどれだけ食べられたか、おかわりしたかなど)を共有したりしています。また、食事の様子を日々調理師が見守りにいきます。この密な連携はなかなかマネができないことなのです。
本物の味の提供
二葉保育園では化学調味料や冷凍食品の使用をしない調理を行っています。「学校給食で日々用いられている冷凍の食品や冷凍の野菜」や「化学調味料」は一切使用していません。化学調味料は世間に満ち溢れています。それを否定しません。ただ、二葉保育園ではそのようなものに頼らない食事をしていただきたいのです。冷凍食品を使うと1年中どんな食材も手に入ります。でもそれでは「旬」というものが分かりません。子どもたちに「本当の味」や「地域の味」「旬の味」を知ってもらうため、地域の食材や時季の食材を使って調理しています。
もう1つ大切なことが出汁です。「出汁の素」「ルゥ」「スープの素」などは一切使わず、煮干し、鰹節、昆布、干しシイタケなどで出汁をとり、ラーメンのスープは鶏ガラを煮込んで作られています。この出汁の味は子どもたちに大人気で「おかわりの行列」ができるほどです。
さまざまな手作りおやつ
二葉保育園では。ほぼ毎日ワクワクするような手作りおやつを提供しています。『出世芋』のような地域の伝統的なお菓子から『フルーツパフェ』のような洋菓子まで様々で、園で収穫した栗を使ったモンブラン、園児が掘った芋で作った芋菓子など、身近な食材が美味しいおやつに変わる体験も大切にされています。例えばゼリー一つにしても、色鮮やかな三層ゼリーがあったり、サイダーで作ったクラッシュゼリーが乗ったものがあったり、自家製のイチゴソースがかかっているものがあったりと、味や視覚で変化を楽しめるように工夫しています。既製品のお菓子はおやつとしてはほとんど出ませんが、行事などのご褒美には提供されます。